本日は
拾った本に勇気を頂いた・・・お話。
昨日のワイドショーで耳にした出来事で図書館で本を借りた方のマナーの悪さについて、だったわけですわ。みんなで回覧する本なのに、食べ(飲み)こぼし、書き込み、気に入った部分の切り取り・・・etcと悪行の数々を取材していたんですの。アタクシはその、図書館所有の本の「ポイ捨て」を、偶然手にすることにより勇気を手にすることになった「あの日」を決して忘れられません。
二年前、父を亡くして、「一周忌をどのようにすれば一番いいのか」を悩む日を送っていました。佐賀の実家はその主を失い引き払い既に売却準備に取り掛かろうとしているし、東京にお墓はナイ。「散骨」を願っていた両親の遺骨はそのままアタクシの寝室に有り、義母から「仏様を一日も早く安住の住処へ」と諭される日々。ソンナ中で事件は起こったんですの。
取引先化粧品会社・社長の失踪。アタクシは、この仕事を立ち上げる時、施術に使う化粧品のドレをとっても満足するものに出会えませんでしたの。施術スタイルは確立したものの化粧品を100パーセント信頼出来るものでなければ「お手入れ」どころか「肌トラブル」にさえ繋がる。そんな中でたくさんの方々と会う中で知り合ったのは、化粧品の研究をしていた60歳に近い男性でした。人を介して知り合い、現在もある化粧品を立ち上げたけれど、満足をしていない。彼は、「そこまで君が納得するものにこだわるなら二人で協力して良いものを作り上げよう」・・・この人の言葉で様々な意見を出し合い無添加化粧品を誕生させ、お客様、ファンの方が増えて行ったと、思われた矢先、彼はお金を持って居なくなりましたわ。しかも大勢の方の借財を残したままで・・・・・・・・。(´ヘ`;)・・
「●●社長、失踪したそうです。」ランチミーティングの最中に飛び込んできた知らせに目の前が真っ暗になりましたわ。お先真っ暗・・・を体感した初めての経験です。
サロン、どうしよう。工場の連絡先はウチの誰が知っていたっけ?!商品はコレから先どうしたらいいか?お客様になんと説明申し上げたらいいの?とにかく、お弟子さんには情報をいち早く正確に伝えなきゃ・・・・・。
この訳の判らない状態の中で、お金を貸された方や不動産屋さん、業者さんからは降るような電話攻撃。アタクシは別会社で全く無関係の組織であるにも拘らず同時立ち上げだったものでソノ応対や、彼の会社の社員さんの給料相談まで押し寄せ、顔見知りのため放ってもおけず奔走しましたわ。
ほとほと疲れきった頃、世の中は夏になっておりました。アタクシは憔悴しきっていたんでしょうね。主力のお弟子さん達は、こう言ってくれましたの。「あたし達、センセが好きで弟子入りしたんです。センセのお考えで又、もっと思い通りのコスメ作りましょうよ。」
でもアタクシは打ちひしがれました。アタクシはソンナに“タフ”じゃないわ・・・、と。
その夏の終わり、父の一周忌を、旅先のお寺で済ませました。済ませた2,3日後、ブック・オフの裏手でアタクシは一冊の本を拾うのです。裏返しのまま草むらの一隅にあった本には「この本は再利用図書です。東村山市立図書館」のシールが見て取れましたの。手にして裏返した時、その本の題名が光を放ったように目に飛び込んできました。
《ステロイド いのちの電話》 江崎ひろこ かもがわ出版
ナニカ大きいけれど暖かいものでカラダを揺さぶられた想いでした。かつてアタクシと同じ想いをした人が書かれた一冊。同じ人の書かれたステロイド脱出記録をアタクシは既に読んでいたのです。
この時まで、アタクシは初心を忘れていたのかもしれませんわね。家に帰り全て読み終えた時にナンとしてでもやらなければならない理由がはっきり見えましたの。両親に死なれ、頼みの綱の相手に去られ、それでも一人で前に進まなければイケナイ理由が。
「アタクシ、想いっきりアタクシらしい商品作れちゃう気がするんですけどね!アァタ方、お勉強について来られるかしら?」あくまでも上からの物言いに、お弟子さん達は噴出すのをこらえているかのようでしたわ。こんなに愛情イッパイの中に居て、申し訳ない・・・・・と、泣かないように頑張りましたわ( ̄^ ̄)
偶然拾った本が勇気を与えてくれ、置かれている幸せな環境を再認識させてくれた、なんて凄い事なんでしょう。この世は捨てたモンじゃないわ
皆さん、モノは拾ってみるモンですわ(そうじゃねぇえダロッ!)
その証拠(?)の本は携帯から次の画面にアップしますわ
最終更新日 2007年03月02日 18時14分42秒